2013年9月2日月曜日

ルッツエルン音楽祭から つづき

こんにちは!
スイスの夏は終わり初秋の気配!八月最終の平日にも拘らずルッツエルン夏の音楽祭は九月中旬まで一カ月以上続き連日大ホールと街中の教会でリサイタルが開かれています。中でもダントツ熱い期待が注がれ早くからチケットが完売になるのがアバード指揮、ルッツエルン祝祭管弦楽団のコンサートなんです。音楽祭のプログラムをみるとこのあと、ウイーンフィル、アムステルダムコンセルトヘボウ、ベルリンフィル、ドレスデンシュターツカペレ、バンベルグ交響楽団、サンクトペテルブルクフィルなど世界のトップクラスのオーケストラが次々と音楽祭を盛り上げていきます。七月から九月はヨーロッパのたくさんの保養地や歴史的な街で夏の音楽祭が何十年前から、いや百年以上前から続いているのですね。九月の終わりから始まる一年の定期公演は翌年六月に終わりそれをこちらヨーロッパではアブヌマと読んでいます。ウイーンフィルなんかの定期会員はもう百年も同じファミリーが持っていて代々定期会員がそのオーケストラの活動を支えてきているのです。もちろん定期演奏会のチケットを手にいれることは可能なのですが、簡単ではないのですね。
今でこそインターネットでの購入も可能になってきましたが、毎年それを楽しみにしている人達は来年度のチケットを一年まえから予約していてなかなかいい席が取れないのです。逆にウイーンなどでは、歴史あるホテルに滞在し、そのホテルのオーナーに頼んでおくととんでもないいい席が回ってきたりします!
さて前置きが長くなりましたが、いよいよアバード指揮ルッツエルン祝祭管弦楽団ののコンサートの日がやってきました!
今日のプログラムはシューベルトの未完成、ブルックナーの交響曲第九番の二曲、このプログラムは確かもう十年位前、ドイツのマエストロ、ギュンターバントが八十代半ばでハンブルグにある北ドイツ響と長年の日本側梶本音楽事務所の熱い招聘に応えて来日し、東京オペラシティで二回だけの公演を行った時と同じプログラムだったような記憶が残っています。ギュンターバントはこの歴史的な日本公演のあと少しして惜しまれつつ世を去りました。
アバードも何故この二曲をえらんだのか?音楽はそれぞれの曲に人それぞれに感じるメッセージがあるのではないでしょうか。
アバードがどんな想いで今晩指揮台に立つかその瞬間まで湧き上がる興奮を抑えながら美しいルッツエルンの湖やアルプスの山々を眺ながら静かに時の来るのを待ったのです。