2013年9月19日木曜日

アバードの英雄

こんにちは!
夜なんかの虫の知らせか深夜12時位にテレビをつけたのですが何時も滅多につけないBSをつけるといきなりアバードが写っててビックリ!何と今年8月17日のルッツエルン音楽祭のアバード指揮ルッツエルン音楽祭管弦楽団の放映ではないか!
ちょうど世界で活躍中の藤村美穂子がソリストで百人以上の大編成のオケに負けず圧倒的な歌唱力で素晴らしい熱演を披露、満員の聴衆から割れんばかりの拍手を貰っていました。昨年も確かマーラーを歌ったのですが、日本人としてとても誇らしい光景。アバードもその9日後に聴きに行った時より笑顔もあり、まだまだいけるアバードを映像でアップで見ることが出来ました。食い入るように見てるとなんと次の曲はベートーベンの英雄ではありませんか!ちょうど来月の国立シンフォニカー第八回定期演奏会で振るのがこの英雄。よく見て聴いて勉強しなさい!何かこんな偶然が私にはよくおこるのです!
スコアを開いて世界最高とも言われるルッツエルン音楽祭管弦楽団の英雄を最後まで食い入るように見て聴いたのですが、何か物足りない感じが残ってしまいました。団員の演奏中の顔つきが今ひとつなんです。英雄という曲は最初から最後まで約50分の長大な曲で一瞬の隙間もない緊張感のある曲だと思うのですが、団員のが周りの団員をキョロキョロ見たりも散見され、何よりも一体感が物足りない感じなんです。
オーケストラは超一流、乱れは無いしソリスト級の木管は上手いし、でも緊迫感が。でもこれはあくまで私の独断と偏見かもしれません。晩年のアバードでしか表現出来ない英雄像があるのでしょう。
ベートーベンが34歳の時に作曲した英雄、80歳のアバードがどんなイメージを持って演奏したのか、そんなインタビューがあればもっともっと面白い鑑賞の仕方もあるのでは?
宮城敬雄