2013年11月18日月曜日

シンフオニエッタとの出会い

こんにちは!
スロバキアシンフオニエッタとの出会いから4日後、定期演奏会は街の中心地にある400人が入るクラシックな佇まいの場所で開かれました。
3日間のリハーサルは団員の笑顔で迎えられベートーヴェンの中でも渋い曲の交響曲第二番、実はこの曲は私にとって初めての指揮。このコンサートがきまったのが一年前、この歳になって新しい曲を覚えるのは大変。あまり演奏会でも、取り上げない曲、なかなか馴染むには骨が折れました。スロバキアシンフオニエッタにとっては聞いてみたら三年振り?木曜日が定期演奏会、定期会員が集まってきました。
人口十万の街の一番の楽しみかもしれないコンサート。朝からのゲネプロはみんな気合いが入っていました!朝8時半に楽屋入りしたらもう半数近いメンバーがステージでさらっていたのです!朝9時から3時間のゲネプロ。夜7時からコンサート。こんなことが出来るのもヨーロッパならではのゆとりなんですね。ホールは自分達の専用だから貸しホールみたいに時間で慌ただしくする必要がないのですね。レジデントオーケストラはこうした環境が与えられていることでいい音楽を演奏出来るんですね。
朝のリハーサルをしっかりやりホテルまで総て石畳みを歩いて家庭的な石と木のテーブルが素敵なイタリアンに入り腹ごしらえ。
こちらの物価は驚きの安さ!パスタが大体4ユーロで300gもあって日本の軽く二人前。ピザも直径が40センチ位の馬鹿でかいのがやっぱり4ユーロ、飲み物が1ユーロから2ユーロなんです!
コンサートのチケットが平均10ユーロとのこと。スロバキアでは国の法律でメニューに飲み物も食べ物も総て量の表示が義務付けられています。野菜さらだでさえ200gとか、お肉は大体が300g位あって胃袋のサイズが違うのでしょうか?食べ物がこんなに安い。ブルガリアの首都ソフィアでもそうでした!一人前の働いている人のきゅうよまあが400ユーロから500ユーロとシンフオニエッタのディレクターの話。満腹でホテルに戻り暫し呆然。コンサートまであと数時間、お天気は良さそう!燕尾服や準備するものを点検、落ち着かない時間が過ぎていきます。開演1時間前に楽屋入りしたらもう前に団員は燕尾服に着替えてステージ裏にゾロゾロ、ステージにも10人位が練習しています。みんなコンサートが待ちきれないような気合いを感じたのです。
凄い!
コンサートは満席、温かい拍手に迎えられベートーヴェンのコリオラン序曲から始まりました。最後のピアニッシモのピチカートが終わり沈黙がつづきました。私もオケも聴衆も全員が無、沈黙、息をこらした瞬間が数秒続きました。もう全身汗だく。舞台袖にはピアニストが笑顔で迎えてくれました。さあ!次はビアノコンチェルト。彼女は緊張し舞台裏を行ったり来たりしています。ピアノが設置されさあ!トイトイトイ!舞台なれしているベテランでもいつでも毎回同じ緊張なんですね!聞いた話しですがあの指揮の帝王と言われたカラヤンでさえ、毎回ステージに向かうとき足がすくみ、奥様が後ろから肩をポンとたたき大丈夫よ!と送り出したとか。
みんな怖いのですね。
ピアノ協奏曲は一箇所キズはあったもののなんとかいき聴衆の割れんばかりの拍手で終わり楽屋裏でハグ!とても喜んでくれますた。
共演者から有難う!と言われるのはとっても嬉しい限り。さあ!いよいよメインの交響曲第二番です。
暗譜でやるか、見てやるか。最後の瞬間までモンモンと。やっぱりしっかり見ようと。頭の中はベートーヴェンずけ。ベートーヴェンの素晴らしい作品交響曲第二番は高らかなファンファーレで終わりました!三階のお客様が立ち始め続いて二階と一階の後ろの席から次々と立っての拍手!用意していたアンコール曲、フィガロの結婚序曲を演奏。スタンディングオベイジョンの中でコンサートは無事終わり楽屋裏では団員からの握手と笑顔。いいコンサートだったと。
ディレクターのサラガさんの部屋に招かれワインでの乾杯。
演奏記録のDVDを頂き再会を確認して別れました。またいつか招待されることを夢みて石畳みを歩きました。明日はもうウィーンに向かいます。
ジリナの街は不思議なくらい落ち着きがありたくさんの教会が市民生活の心の拠り所として真面目に生活しているなとつくづく感じさせられた素敵な街。音楽をやることで全く知らなかった土地を訪れてたくさんの人達と交流出来ました。
翌朝ジリナの駅までステージマネージャーが送ってくれブラチスラバまで電車の旅2時間、車窓には小高い丘に古城や砦が幾つも見え、長いハンガリー帝国からハクスブルグオーストリア帝国の繁栄の中で幾たびの戦いがあったことに想いをはせスロバキアの首都ブラチスラバに。乗り換えてウィーンまで1時間の列車の旅、背中から脚まで鉛の板のような筋肉の凝り。でもこのコンサートのお蔭でベートーヴェンの交響曲第二番が大好きになりジリナという街を知り音楽大好きな人達と交流できました。

2013年11月13日水曜日

スロバキアシンフオニエッタとの出会い

こんにちは!
ブラチスラバから高速で2時間、オケの迎えの車でスロバキアの田園地帯を見ながらなだらかな山あいにある古い商業都市として栄えたジリナにやってきました!気温は五度前後。コートがないと凍えてしまいます。この街はウィーンからポーランドの古き都クラカフに抜ける街道にあり14世紀交易で栄えた街、道は総て石畳で敷き詰められ、電信柱なんか全くない中世にタイムスリップしたような静かで平和な感じです!
この街の中心部にスロバキアシンフオニエッタの本拠地の素敵なコンサートホールがあります。このステージで三日間リハーサル、四日目がドレスリハーサルが朝9時からあり夜7時からコンサート!
朝9時半オケのスタッフがホテルのロビーで会い石畳みの街を歩くこと五分でコンサートホールの楽屋につきました。
緊張のひと時です!身支度を整えリハーサル開始五分前にスロバキアシンフオニエッタのメンバーに紹介されました。みんな笑顔で迎えてくれ、極度の緊張が少し解れたかも。
コンサートマスターは年配の男性。メンバーの大半は男性奏者。女性は僅か7名だけ。ヨーロッパのオーケストラは大半が男性なんです!
日本のオーケストラはN響と読響を除いて大半は若い女性奏者。事情がちがうのでしょうね。
最初はベートーヴェンのコリオラン序曲。弦楽器の分厚いなんともいえない音。普通のフル編成のオケの約半分の弦楽器、20人の奏者がなんでこんなに分厚い温かい音がでるのか?続いて交響曲第二番。汗だくのリハーサルも素晴らしいテンポでリハーサルが進みました!真剣なリハーサルの中にも音楽を大切にする奏者達の笑顔が幾つもありました!
ホールの響きも自然で大満足の一日でした!明日が楽しみ!

2013年11月11日月曜日

スロバキアのコンサート

こんにちは!
ウィーン経由スロバキアの首都ブラチスラバにやってきました。久しぶりのスロバキアです。スロバキアもEUに加盟し開かれたヨーロッパでウィーンから車で1時間、数年前にはビザも必要で国境に車の長い列ができ入国が面倒だったのにいまは国境すら全くわからない陸続き。ブラチスラバの街は以前と同じ佇まいでした。
翌日土曜日は生憎の冷たい雨、隣がスロバキアフィルの本拠地のルダータホール、その前が歌劇場、ホテルの左隣がアメリカ大使館。
ランチにプロモーターとのランチとミーティング、夜はスロバキアフィルのコンサート。スロバキアフィルとはかって12年前、このホールでスロバキアフィルを振ってヨーロッパデビューした思い出のホールです。今夜はコンテンポラリーのコンサート、メンバーのマイケル君と開演前ギリギリまで美味しいビールを飲み一年振りの再会を果たし、彼に裏口から入れてもらい改装なった金ぴかのホールに駆け込んだのです!
コンテンポラリーの音楽は不協和音の連続で前半部だけでもうたくさん!
彼もビール飲んでもううんざりだ!ブラームスなリハーサルやるたびによくなるのにコンテンポラリーはリハーサルを四日もやっても毎回同じ、やだよな!それでもさすがプロ、本番は真剣に新しい曲に向き合っていた。コンテンポラリーを好む聴衆は熱狂的に拍手。これらの曲が百年先にベートーヴェンみたいに世界中で愛好される事があるのかな?ベートーヴェンや、ブラームスやチャイコフスキーがなんて凄いのか改めて実感。これから一週間スロバキアの音楽紀行を綴りますね。、
宮城敬雄