2013年9月9日月曜日

ブラームス国際コンクール つづき

こんばんは!
ブラームス国際コンクールは今終わりました!
ピアノ部門の優勝は昨年の佐籐麻理さんに続いて日本人の木下さんが獲得、3位にも渋田さんが入賞しました。
オーケストラとのコンチェルトで最終審査を行いバイオリンとピアノ部門6人がオーケストラとのコンチェルトで1位から3位を決める仕組み。
ピアノ部門5人の審査員、バイオリン部門の6人の審査員が並びました!
一般のお客様も15ユーロを払って最終審査を聴くことができます
6時開演、こんどはピアノ3人の運命を左右しかねないジャッジを下さないといけないのです。さらにそのジャッジは大勢の聴衆にも点数を書いた大きな紙を一斉に示し、お客様はその点数を見て審査員をジロッと見るのです。初めての経験とはいえ、この審査のやり方は、他のコンクールの審査のやりかたは知らないので比較は全く出来ませんが、一次予選はまる二日間かけ29人から上位12人に絞り一日おいて準決勝、そして最終選考で一位から3位までがきまります。
選考は五人の審査員が順番に演奏されているなかでテクニックと音楽性の2つのカテゴリ別に点数を付け、演奏が終わると同時に紙に点数をつけてサインしたものを提出、それは直ちにコンピュータに入力されます。この提出が終わるとこんどは演奏者やお客様に対し点数を書いた紙をテクニックと音楽性の2つのカテゴリ別に点数をを掲げ審査の透明性を示します。この時点で初めて5人の審査員の点数がわかるのです。
隣の審査員の点数が自分の点数と違う場合も同じ場合もあり、それが大きく違う場合は、休憩どきに話題になったりしますが、点数はすでにコンピュータに入っており審査員同士が激論を闘わしたからといって結果には全く影響はないのです。
よく出来たシンプルにして公平、百パーセントフェアな審査方法、増してや演奏会場の中で審査員のテーブルは一般のお客様と隔離されておらず、あくび一つできないのです。
課題曲の範囲が広く、また朝から晩まで延べ41回の演奏を3日間で聴いて点数をつける作業はまさに自分自身への評価になるんですね。


開催当初から審査員を務められているアレキサンダー教授をはじめピアノの教授やピアニストがどんな点数をつけるか、点数を聴衆に発表するまでお互い全く分からないのです。演奏技術、音楽性に12人のピアニストがしのぎをけずるのです。スポーツのように勝ち負けがはっきりでるのはまだしも芸術の世界はこれが絶対というのはないから微妙な判定があり、ときとして物議を醸すこともあるのですね。
自分の付けた僅かな点数でピアニストの運命が左右されるかも知れないと思うと大変な重責とつくづく思い知らされました。
点数を発表し他の審査員と点数が同じ或いは近いとホッとしたりします。長年審査員を務めるベテランでもきっと同じ想いで審査員を務めているのではないでしょうか。
いずれにしても五人の審査員に全く異論が出ない結果となり無事大役を果たせかなと思いました。
8日のイブニングは1位と2位の5部門の演奏と表彰式がフェルデンのホールで華やかに開催されます。
コンクールの舞台裏の話はまたゆっくりお話しますね。